2-1a.カラー・ストーン(色石)の見極めについて
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実例による検証(ルビー)
下記の写真のルビーのリングを5種類のルビーを使用して製作した場合のコストを比較 してみましょう。なお、主石のコスト以外の部分(地金代金、加工費用、脇石代金、石留め費用) の内訳に関しては省略させて頂き、その合計を¥80,000とお考え下さい。また主役のルビーは2カラット を使用、といたします。
●ルビー1.
色、輝き、透明度とも理想的なルビーで、一般的にルビーにおける最上の呈色は 「ピジョン・ブラッド(鳩の血の色)」とよばれますが、まさにそれに該当する石です。 最低でも¥600,000程度、産出の時期や需給関係等によりさらに値上がりする可能性があり ¥2,000,000以上する場合もあります。従って、リング完成品の価格は最低でも
¥600,000+¥80,000=¥680,000
ということになります。
●ルビー2.
色、輝きは申し分ないのですが、中心より少し右上に黒色の内包物が認められます。 価格に関しましては\450,000程度です。従って、リング完成品の価格は
\450,000+\80,000=\530,000
●ルビー3.
輝きはあり、内包物も認められませんが、色が薄い。場合によっては「ピンク・サファイア」 という鑑別結果が出る可能性のある石です。 価格に関しましては\190,000程度です。従って、リング完成品の価格は
\190,000+\80,000=\270,000
豆知識
ルビーとサファイアは同じ「コランダム」という鉱物で、その中で赤色のものを「ルビー」、 それ以外のものを「サファイア」と呼びます。従ってサファイアは幅広い色相を有します。 サファイアといえば一般にはブルーの石、とうイメージが強いですが、オレンジ、イエロー、グリーン 、ピンクなどがあります。ピンクとオレンジの中間色を示すサファイアは希少性が高く「パパラチア」と 呼ばれ、非常に高価な貴石です。
●ルビー4.
輝きはあり、内包物も認められませんが、色が濃い。色は濃ければ、濃いほど良いわけでは ありません。色の濃い石は一般的に輝きという部分で劣るからです。 価格に関しましては\160,000程度です。従って、リング完成品の価格は
\160,000+\80,000=\240,000
●ルビー5.
色は理想ですが、肉眼で発見可能な内包物を多数含みます。このため、輝きも失われています。 価格に関しましては\130,000程度です。従って、リング完成品の価格は
\130,000+\80,000=\210,000
上記のルビー、とひとことで言いましてもここまで差があります。前ページの重複にはなりますが
●色
●輝き
●内包物
この3つのことを頭に留めてカラー・ストーンはお選び下さい。石がサファイアやエメラルド等に 変わっても判断基準は上記3項目になります。